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秋の秀句と光が丘の秋 富安風生詠
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さも新居らしく金魚鉢と杜鵑花 富安風生
富安風生は明治18年現在の豊川市に生まれ、ホトトギスの同人となり、さらにその課題句選者となった人。逓信省に入り、昭和11年から逓信次官を務めている。
長い官僚生活の間には、結構な回数の転居を伴う異動があったと推察できる。この句も慣れた何度目かの転居先で、明るい窓際に置かれた金魚鉢と机上の花瓶に生けられたホトトギスの花が初々しく、繰り返しではあるが新たな住まいでの生活が始まったことを改めて意識したのかもしれない。日常にまで心が動くこの人の感受性が伝わってくる。