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#112 Music Laboratory ~おとらぼ~ 代表
大庭智弘さん

変幻自在な吹奏楽団!
参加できる人がイベントに出演


 区のキャンペーン「よりどりみどり練馬」のテレビCMを、ご覧になりましたか? そのなかで、楽器を奏でながら行進に参加していたグループが、通称「おとらぼ」。吹奏楽、オーケストラ、ジャズなど多彩なジャンルから集まった個性派メンバーで構成され、練馬区内のイベントを中心に活躍しています。

「演奏活動を続けていくうちに、地元の施設、団体、商店街などのイベントに呼ばれて演奏することも多くなりました。地域のつながりはありがたいし、気持ちもしっくりくるんです。活動拠点が大泉学園なので、子ども向けのイベントでは仮面ライダーやプリキュアなど、東映さんの楽曲を多く演奏しています」

 と語る代表・大庭さんは、生まれも育ちも在住も大泉学園です。

「中学生から吹奏楽を始めて、社会人になってからは、市民楽団などをいくつも掛け持ちしていました。2010年、新しい楽団を作ろうと思って、出身の都立大泉高校の吹奏楽部で一緒だった仲間に声をかけたのがきっかけでした」

 人が人を呼び、現在の登録人数はおよそ55名。普段のステージは数名〜20人、定期演奏会では40人ほどが参加するそう。

「おとらぼの特徴は、『この日にこんな依頼があるけど、どう?』と声をかけ、集まったメンバーで演奏するスタイルです。その時々で編成が違うので、編曲や演奏パートも変えています。この辺が普通の吹奏楽団とはちょっと違う、面白いところだと思います」

 個々のレベルの高さが要求されますが、他の楽団を掛け持ちするメンバーがほとんどで、実力があるからこそ成せる技。大庭さんは「アンサンブルもしっかりやりたいので、コンテストにも出場し、金賞や銀賞をいただきました。また、得意ジャンルのジャズ・ポップス系でも全国大会のコンテストに2回出場しました」と、音楽技術の向上という純粋な夢も掲げています!



高校時代から今へとつながる
大切な仲間との出会い


 大庭さん自身が、吹奏楽を始めたのは、中学3年生のとき。3歳から弾いていたピアノを高校受験に専念するためやめたのですが、吹奏楽部の友人に誘われて、入部することに…。

 担当はアルトサックスに決まり、音楽好きの気持ちは止められず、高校受験そっちのけでコンテストに出場したりと、のめりこんでいったそうです。

「進学した都立大泉高校でも、吹奏楽部に入りました。そこで、今のおとらぼにつながる友人たちと出会いました」

「『自主創造』の校風どおり、まさに自由な高校でした。顧問も口出しせず、やりたいことをやらせてくれる。顧問が何か言ってきたときは、逆に『自分たちが不甲斐ないせいだ』と思っていましたね」

「吹奏楽部は軽音楽部と同じ棟にあって、シャウトやパンクといったジャンルの演奏に、『うるさいな〜』とボソッと言ってしまったことがあったんです。そうしたら先生が、『ジャンルは違っても音楽だぞ!』と叱ってくれて…。自分の固執した殻が弾けた瞬間でした」

 その後は、バンドブームに乗ってドラムを始めるなど、様々な楽器を楽しむようになったと言います。クラシックからアニメ、時代劇テーマまでとレパートリーが幅広いのも、大庭さんのそんな背景が影響しているのかもしれませんね。

 メンバーとの和気あいあいとした楽屋の様子を見ていると、高校時代の仲間がそのまま大人になったような、まぶしさを感じます。

「メンバーとは、普段の生活でも助け合っています。本当にいい仲間に恵まれました。ちなみに、団内結婚も1組あるんですよ! ベビーラッシュもあったので、いつか"おとらぼJr."が結成できたらいいですね(笑)」

 まるで家族のような吹奏楽団。曲を聞いているうちに心地良くなるのは、心が通い合う仲間同士が織りなす音だからですね。今後の活動も応援しています♪

(2016年2月1日)

「よりどりみどり練馬」のCMに 「おとらぼ」出演の様子
(写真提供:練馬区広聴広報課)

「ねりま・エコスタイルフェア」 依頼演奏の様子
(写真提供:ねり☆エコ)

おとらぼの依頼演奏では 中学時代から続けている アルトサックスを担当することも

取材当日の中村敬老館の アンサンブルコンサートの様子。 懐メロから時代劇主題歌、 そして「ふるさと」の合唱。 会場が温かい一体感に!

ゆめーてる商店街「銀河の夜の 盆踊り」の依頼演奏。 やぐらの上で演奏しました
(写真提供:おとらぼ)

楽屋にいても笑顔が絶えず、 仲の良さが伝わってきます

「代表だという責任感がある。 だから、技術も向上したい」 という大庭さん

おとらぼ定期演奏会の様子。 次回は、2016年5月7日予定
(写真提供:おとらぼ)

プロフィール

大庭智弘さん

大庭智弘さん

おおばともひろ 1977年、練馬区大泉に生まれてからずっと在住。職業は薬剤師。中学時代、友達に誘われた吹奏楽部でアルトサックスを始め、吹奏楽の道に。ドラム、リコーダー、クラリネット、フルート、ピアノという数々の楽器をたしなむ。2010年、吹奏楽団「おとらぼ」を立ち上げる。レパートリーは200曲以上。演奏の他、編曲も手がける。定期演奏会の他、団体や商店街などのイベントで演奏の声がかかることが増えている。練馬区で好きな場所は、「住まいも職場もある大泉周辺が一番落ち着く」というほど、練馬愛に溢れている。

Music Laboratory ~おとらぼ~

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