特集記事 Reviews
#076 イチゴ農家 (ねりまベリー交流会 会員)
加藤和雄さん・喜代子さん
イチゴはとってもデリケート!
食べる人を喜ばせる心配りも
みずみずしい甘さが口いっぱいに広がる、練馬産のイチゴ! 練馬の春の名物となったベリーフェスティバルでは、採れたての直売品が大人気です。その出品者の一人が、大泉で150年(!)続く農家の5代目、加藤和雄さん。奥さんの喜代子さん、次男の淳(あつし)さんと一緒に、家業を営んでいます。
和雄さん「異業種研究会から始まった『ねりまベリー交流会』が主催ですが、いろんな業界の人と出会えるので、勉強になります。イチゴを作る張り合いになってますね」
農業への真摯な想いが、語り口にこもります。
和雄さん「イチゴはとてもデリケート。去年のように夏暑くて冬急に寒くなると、色がつきにくい。暖房だけじゃなく、日照が欠かせないんです」
喜代子さん「味をよくしようと、毎年錯誤しています。品種もいろいろ試しました。今は、土に合って、酸味と甘さの調和したとちおとめ1種類に落ち着いていますね」
ハウス内を拝見したところ、2棟120坪に、大きな粒をそろえたイチゴ畑が広がっていました。中央にはミツバチの巣箱が置かれ、飛び回って受粉します。
喜代子さん「ハウスだから、1年中やることがあるんですよ。冬は6時からで、夏はもっと早いです。昔は農閑期は時間の余裕がありましたけど、今は寝るのも仕事のうちですよ(笑)」
和雄さん「農家が減って、情報交換がしづらくなっている。今は主に、業者から情報を仕入れています」
収穫はもちろん、パック詰めもすべて手作業。詰める作業は、大きさを揃えながらまるでパズルのよう。イチゴの花を知らない人もいるので、花を一つ、パックにのせておくそうです。買った人がうれしくなる心遣いですね!
イチゴ植えは、一家総出で…
農業が結ぶ家族の絆
加藤家では昔、麦を中心に、大根類、お茶、菜種油を作ったり、藍染めなども行ったりしていました。
和雄さん「麦畑はチクチクしてかゆかったけど、ヒバリがさえずって、のどかだったなあ…。1メートル近く雪が降って、竹でスキーを作って、坂を滑り降りたこともあったね」
子ども時代を伺うと、そう懐かしむ和雄さん。木登り、竹馬など、近所の友達と遊びまわっていたそうです。先輩が面倒を見てくれる、年齢を越えた子どもたちの“コミュニティ”が、自然とできていた時代でした。
農家を継いだのは32歳のとき。それまでは農協で働いていました。
喜代子さん「『留守番でいいから』と言われて嫁いだはずなのに…。気づけば1歳半の子どもをトラックに乗せて、神田の市場に100ケース届けてました(笑)」
和雄さん「『留守番』なんて、今となってはギャグになっちゃったね(笑)」
また、農繁期には一家総出でお手伝い。イチゴ植えでは全員集合します。孫にも、バーコードつけなど、小さい時から手伝わせてきました。そんな孫の小学校の社会科授業に呼ばれて、キャベツの話をしたことも。また、講師として農作業ヘルパー・援農ボランティアを指導したりと、多忙ななかでもすべてに全力投球の和雄さんです。
お二人のほのぼのした掛け合いから、地域とのつながりが垣間見えます。農業がつなげる、家族と地域。代々続く土地を守るということは、そこに住む人々とつながり続けることでもあるんですね。
☆「第7回ベリーフェスティバル」開催予定
加藤和雄さん・喜代子さんが丹精込めて育てたイチゴを使用した新作のスイーツや朝摘みイチゴを即売します。
開催日時:2013年3月16日(土)10時〜13時
会 場:JA東京あおば こぐれ村 (練馬区大泉学園町2-12-17)
(2013年2月1日)
食べる人を喜ばせる心配りも
みずみずしい甘さが口いっぱいに広がる、練馬産のイチゴ! 練馬の春の名物となったベリーフェスティバルでは、採れたての直売品が大人気です。その出品者の一人が、大泉で150年(!)続く農家の5代目、加藤和雄さん。奥さんの喜代子さん、次男の淳(あつし)さんと一緒に、家業を営んでいます。
和雄さん「異業種研究会から始まった『ねりまベリー交流会』が主催ですが、いろんな業界の人と出会えるので、勉強になります。イチゴを作る張り合いになってますね」
農業への真摯な想いが、語り口にこもります。
和雄さん「イチゴはとてもデリケート。去年のように夏暑くて冬急に寒くなると、色がつきにくい。暖房だけじゃなく、日照が欠かせないんです」
喜代子さん「味をよくしようと、毎年錯誤しています。品種もいろいろ試しました。今は、土に合って、酸味と甘さの調和したとちおとめ1種類に落ち着いていますね」
ハウス内を拝見したところ、2棟120坪に、大きな粒をそろえたイチゴ畑が広がっていました。中央にはミツバチの巣箱が置かれ、飛び回って受粉します。
喜代子さん「ハウスだから、1年中やることがあるんですよ。冬は6時からで、夏はもっと早いです。昔は農閑期は時間の余裕がありましたけど、今は寝るのも仕事のうちですよ(笑)」
和雄さん「農家が減って、情報交換がしづらくなっている。今は主に、業者から情報を仕入れています」
収穫はもちろん、パック詰めもすべて手作業。詰める作業は、大きさを揃えながらまるでパズルのよう。イチゴの花を知らない人もいるので、花を一つ、パックにのせておくそうです。買った人がうれしくなる心遣いですね!
イチゴ植えは、一家総出で…
農業が結ぶ家族の絆
加藤家では昔、麦を中心に、大根類、お茶、菜種油を作ったり、藍染めなども行ったりしていました。
和雄さん「麦畑はチクチクしてかゆかったけど、ヒバリがさえずって、のどかだったなあ…。1メートル近く雪が降って、竹でスキーを作って、坂を滑り降りたこともあったね」
子ども時代を伺うと、そう懐かしむ和雄さん。木登り、竹馬など、近所の友達と遊びまわっていたそうです。先輩が面倒を見てくれる、年齢を越えた子どもたちの“コミュニティ”が、自然とできていた時代でした。
農家を継いだのは32歳のとき。それまでは農協で働いていました。
喜代子さん「『留守番でいいから』と言われて嫁いだはずなのに…。気づけば1歳半の子どもをトラックに乗せて、神田の市場に100ケース届けてました(笑)」
和雄さん「『留守番』なんて、今となってはギャグになっちゃったね(笑)」
また、農繁期には一家総出でお手伝い。イチゴ植えでは全員集合します。孫にも、バーコードつけなど、小さい時から手伝わせてきました。そんな孫の小学校の社会科授業に呼ばれて、キャベツの話をしたことも。また、講師として農作業ヘルパー・援農ボランティアを指導したりと、多忙ななかでもすべてに全力投球の和雄さんです。
お二人のほのぼのした掛け合いから、地域とのつながりが垣間見えます。農業がつなげる、家族と地域。代々続く土地を守るということは、そこに住む人々とつながり続けることでもあるんですね。
☆「第7回ベリーフェスティバル」開催予定
加藤和雄さん・喜代子さんが丹精込めて育てたイチゴを使用した新作のスイーツや朝摘みイチゴを即売します。
開催日時:2013年3月16日(土)10時〜13時
会 場:JA東京あおば こぐれ村 (練馬区大泉学園町2-12-17)
(2013年2月1日)
丹精込めて作られた
「とちおとめ」。
12月末から一番果が
採れはじめます
イチゴのハウスは2棟あります。
ハウス栽培を始めたのは、
20年以上前から
できるだけ農薬を使わないよう
心がけています。
ミツバチの巣箱もあって
自然受粉させています
かわいらしいイチゴの花
可憐です!
光合成を活性化させるため、
ハウス内に設置された
炭酸ガス(CO2)の装置
『おいしかった』と言われるのが、
何よりうれしい、
と和雄さん
照れ屋なご主人と、
お話上手な奥さん。
相性ピッタリ!
昨年のベリーフェスティバル
プロフィール
加藤和雄さん・喜代子さん
加藤和雄さん
1946年、男2人女1人の3人兄弟の長男として、大泉に生まれる。32歳のとき父親が他界、5代目を継ぐ。以来、農業一筋。現在は年間50〜60品種もの野菜や果物を栽培。貴重な練馬産イチゴも育てている。多忙な合間にも、ねりまベリー交流会、練馬区農業委員会副会長など、様々な役を兼任している。練馬で好きな場所は、ラーメン屋の帯広ロッキー大泉店。孫を床屋に連れて行き、おもちゃを買ってあげ、ラーメン店に寄る、というのが定番のお気に入りコース。
喜代子さん
朝霞の農家出身。25歳のとき、和雄さんと結婚。3人の男の子に恵まれる。ちなみに孫も男3人という男系一家。「作らないとない」という休みには、夫婦そろって旅行を楽しむ。2泊が限界なので海外は無理というなか、日本中を訪れている。
【ねりまベリー交流会】
区内の農家、和洋菓子店など11事業者でつくる会。区内産のブルーベリーとイチゴを使用したスイーツづくりに取り組んでいます。8月と3月に開催するベリーフェスティバルでは、新商品のお披露目、即売を行っています。