特集記事 Reviews
#041 NPO法人「実のなる木を育む会」代表。
出川 芳信さん
町の特色、町を守るの発想から
ボランティア活動へ…
練馬区田柄にある梅林公園。2月になると梅の芳香が辺りを漂いはじめ、春を感じさせてくれる公園です。その一角にある果樹園を管理しているのは「実のなる木を育む会」の皆さん。2000年に発足し、10名ほどで月2回のボランティア活動をされており、樹木を育て、収穫を公園に遊びに来た方々にお裾分けしているとのこと。梅のつぼみが膨らみかけたこの時期、代表の出川芳信さんが経営する美容室をお訪ねしました。
クラシックの流れる落ち着いた店内。一角に備えられた茶道具を背に、「この田柄の町を、実のなる木でいっぱいにできたらいいな~って思ったのが始まり」と、出川さんは発足のきっかけを語ってくれました。
「田柄に住んでいる私たちが、特色ある町づくりをするために一体何ができるだろうか、いざという時に結集して地域の人々を守れるように日頃からコミュニケーションをとるにはどうしたら良いか? などと考えているうちに、じゃあ、『実のなる木』を庭先に1本ずつ植えてもらって特色のある町にしよう。そうしたらご近所とも風通しの良い町になるんじゃないかな、という発想だったんです」
出川さん宅の前には、ヤマモモの木が植わっています。瑞光という種類で、夏には美味しい実をたくさんつけるそうです。
実のなる木でいっぱいの町、想像するととても素敵です! ところが、住宅街ゆえに落ちた実で滑ったなど、もしもに備えると実際には難しいこともあるようで…。
「そういった理由から、田柄梅林公園の一角を管理しながら植樹をすることになりました。私たちは練馬区と協定を結んだ第一号のボランティア団体なんですよ」
自然からすべてを学んだ
夢は「公園おじさん」になること!
当時の田柄梅林公園は、スギ林で地面もグラウンドのようにカチカチで、とても植物が育つような土ではなかったそう。出川さんたちは1年に1度、120リットルのゴミ袋に詰めた落ち葉を120袋集め腐葉土を作り、10年かけてミミズがたくさん生息できるような生きた土を作り上げてきました。
整地作業、樹木の保守点検。化学肥料を一切使わない無農薬の自然栽培。その惜しみない努力には、活動を続けている方々の自然を守る想いが込められているのです。
「人間が楽しむだけじゃなくて動物、植物、大きく言えば空気、大地、水。これらを幸せにして初めて人間の幸せがあるんですよ」
公園という場所であるがゆえに、活動の理解を求めるのが難しい部分もあるようです。心ない言動や、時には木を折られたこともあったとか!
活動をされてきて嬉しかったことは?
「収穫した実を、小さなお子さんに手渡した時の笑顔。いつかは『公園おじさん』になりたいんですよ(笑)」
出川さんのいう公園おじさんとは、公園をコミュニケーションの場として、小さなお子さんに高齢者の知恵を伝えていきたいということ。その想いが現在の活動の根底にあります。
「将来的にそういった公園に発展させていくため、大きな意味でこの田柄梅林公園がモデルケースになればいいね~、なんて、みんなで言っているんですよ」
練馬区にお住まいになって41年。出川さんのお気に入りの場所は?「う~ん、空かな」とてつもなく、大きな答えが(笑)。
「星空と会話したり、朝の陽の光をあびるのが最高!」土や緑の声が聞こえるという出川さん。空に向かって大きく伸びをしている姿が目に浮かぶようでした。
ボランティア活動へ…
練馬区田柄にある梅林公園。2月になると梅の芳香が辺りを漂いはじめ、春を感じさせてくれる公園です。その一角にある果樹園を管理しているのは「実のなる木を育む会」の皆さん。2000年に発足し、10名ほどで月2回のボランティア活動をされており、樹木を育て、収穫を公園に遊びに来た方々にお裾分けしているとのこと。梅のつぼみが膨らみかけたこの時期、代表の出川芳信さんが経営する美容室をお訪ねしました。
クラシックの流れる落ち着いた店内。一角に備えられた茶道具を背に、「この田柄の町を、実のなる木でいっぱいにできたらいいな~って思ったのが始まり」と、出川さんは発足のきっかけを語ってくれました。
「田柄に住んでいる私たちが、特色ある町づくりをするために一体何ができるだろうか、いざという時に結集して地域の人々を守れるように日頃からコミュニケーションをとるにはどうしたら良いか? などと考えているうちに、じゃあ、『実のなる木』を庭先に1本ずつ植えてもらって特色のある町にしよう。そうしたらご近所とも風通しの良い町になるんじゃないかな、という発想だったんです」
出川さん宅の前には、ヤマモモの木が植わっています。瑞光という種類で、夏には美味しい実をたくさんつけるそうです。
実のなる木でいっぱいの町、想像するととても素敵です! ところが、住宅街ゆえに落ちた実で滑ったなど、もしもに備えると実際には難しいこともあるようで…。
「そういった理由から、田柄梅林公園の一角を管理しながら植樹をすることになりました。私たちは練馬区と協定を結んだ第一号のボランティア団体なんですよ」
自然からすべてを学んだ
夢は「公園おじさん」になること!
当時の田柄梅林公園は、スギ林で地面もグラウンドのようにカチカチで、とても植物が育つような土ではなかったそう。出川さんたちは1年に1度、120リットルのゴミ袋に詰めた落ち葉を120袋集め腐葉土を作り、10年かけてミミズがたくさん生息できるような生きた土を作り上げてきました。
整地作業、樹木の保守点検。化学肥料を一切使わない無農薬の自然栽培。その惜しみない努力には、活動を続けている方々の自然を守る想いが込められているのです。
「人間が楽しむだけじゃなくて動物、植物、大きく言えば空気、大地、水。これらを幸せにして初めて人間の幸せがあるんですよ」
公園という場所であるがゆえに、活動の理解を求めるのが難しい部分もあるようです。心ない言動や、時には木を折られたこともあったとか!
活動をされてきて嬉しかったことは?
「収穫した実を、小さなお子さんに手渡した時の笑顔。いつかは『公園おじさん』になりたいんですよ(笑)」
出川さんのいう公園おじさんとは、公園をコミュニケーションの場として、小さなお子さんに高齢者の知恵を伝えていきたいということ。その想いが現在の活動の根底にあります。
「将来的にそういった公園に発展させていくため、大きな意味でこの田柄梅林公園がモデルケースになればいいね~、なんて、みんなで言っているんですよ」
練馬区にお住まいになって41年。出川さんのお気に入りの場所は?「う~ん、空かな」とてつもなく、大きな答えが(笑)。
「星空と会話したり、朝の陽の光をあびるのが最高!」土や緑の声が聞こえるという出川さん。空に向かって大きく伸びをしている姿が目に浮かぶようでした。
(2010年2月12日更新)
田柄梅林公園の入口の梅。
キンとした青空に映えますね!
(2010年1月30日)
田柄梅林公園の一角にある看板。
出川さんたちの活動場所です
活動場所の風景、
春が待ち遠しい~!
鳥のエサ台もすばらしい造りです
冬は剪定の時期です!
(実のなる木を育む会・
村田さん写真提供)
3年以上寝かせて完熟にした
腐葉土を散布します
(実のなる木を育む会・
村田さん写真提供)
整地作業の様子
(実のなる木を育む会・
村田さん写真提供)
11月、保守点検をして
冬対策をします。
赤い実がたくさんついてますね
(実のなる木を育む会・
村田さん写真提供)
12月、冬の日差しの中、
腐葉土作りをする皆さんの
意気込みが感じられます
(実のなる木を育む会・
村田さん写真提供)
「子育て本を書いてみたい」と
出川さん。
ご自身、父子家庭で3人の
お子さんを育てられたそうです!