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#026 おとり様商店会会長
小川 清一さん

48年の歴史「おとり様商店会」は
わが街の自慢!


 「お酉さま」の名で江戸時代から親しまれてきた酉の市が、練馬の大鳥神社で今年も盛大に開かれます。神社の真向かいにある、その名もズバリ「おとり様商店会」の会長で、青果店を営む小川清一さんに、酉の市への思いと商店のこれからをうかがいました。

 「おとり様商店会は駅から近くて、大鳥神社と東神社という二つの神社に隣接しています。こんな特異な商店会はめずらしいよ。お酉さまの足元にあることから先代たちが名づけたのですが、『おとり様』という響きが親しみやすくていいでしょう? 昭和35年に発足して、今年で48年目になります」

 酉の市は、例年どれくらいの人出になりますか。
「毎年2万~3万人くらいですね。私どものおとり様商店会を含め練馬駅南口の5つの商店会が結束して、酉の市用に提灯を約300灯、皆で集まって飾るのが恒例の仕事ですね。楽しんでやっている部分もありますが、商売という本業をしながらの準備作業は、正直大変ですよ。でもね、神社に足を運んでいただくことが商店と街の活性化につながると信じ、誇りをもって頑張っています。もう自分の商売だけ繁盛すればいいという時代じゃないからね」



地域貢献もかねた
街の活性化を目指す!


 おとり様商店会では「障害をもつ人に社会復帰の場を」との思いから、「精神障害者地域生活支援センターきらら」に通所している障害者の方と、酉の市でおしるこ屋の出店をしているそうです。

 「有志でお金を集めてコミュニティビジネスとして始め、5年目になります。酉の市で、障害のある方が一生懸命おしるこを売っている姿を見て、泣いている親御さんもいらっしゃいます。そんな光景を見ると、こういう活動をして良かったなぁと思いますね」

 また、七夕には厚意ある地主さんから竹を分けてもらい、地域の小学校などに竹と短冊を配り、その七夕飾り約50本を商店街に並べます。
 「子どもの夢を見ながら、商店街を歩いたら楽しいでしょ」
この時もきららさんに手伝っていただいているそうです。できる人ができることをして地域を盛り上げるって素晴らしいですね。

 神社周辺では現在、電柱の地中化が進められ、2年後には街中の電柱が地上から姿を消す予定。街の外観が大きく様変わりするころ、おとり様商店会も50年の節目を迎えます。



商店と神社が手をとり合い、
八日縁日など開催!


 大鳥神社にまつられている石薬師如来は「万病に効く」と、多くの人が参拝に訪れます。実はこの商店会、ロケーションがよいため集客にはわりと恵まれているので、「一致団結して活性化させなきゃ!!」というところまで、全員のモチベーションを上げるのに苦労するそう。そのジレンマを乗り越え、地域活性化のために皆で知恵をしぼった企画は「八日縁日」。不定期ながら毎月8のつく日(8日、18日、28日)に安定した人気でにぎわっています。…とはいえ、神社でのイベントがここまで盛んにできるようになったのは、ここ最近とか。

 「最初は境内をお借りするのが大変でしたが、時間をかけて信頼関係を築いた結果、さまざまなイベントができるようになってきました。神社も商店も、協力し合ってお客さんに来てもらうのがいちばんですよね。もともと市などのお祭りは、子どもが叱られない唯一の夜遊び。境内も、子どもが集まれば格好の遊び場です。いま、商店会ではお酉さまの境内で『紙芝居』をしたらどうか? なんて案も出ているんですよ。昔は紙芝居屋さんの駄菓子を買ったら読んでもらえる…っていうのが暗黙のルールだったのに、今のお母さんはそれを知らない。紙芝居が来ても、お菓子を買わずにいつまでも始まるのを待ってる。しびれをきらしたおじさんが『買わなきゃ始まらないよ!』なんて言っています(笑)。それもこれも、対面で買い物をしなくなったから買い方、遊び方が分からないんですね。そこを、私たちが掘り起こして昔ながらのいい慣習を次の世代につないでいきたいですね」

 今年の酉の市は、11月5日、17日、29日の三の酉まであります。人々の手で作り上げられた酉の市、ぜひ足を運んでくださいね!

(2008年11月4日更新)


11月に入ると千川通りにも
提灯が飾られ、
「もうすぐお酉さまだ!」という気分が
一気に盛り上がります。


酉の市当日の
練馬大鳥神社の入口。
人の出入りがスゴいですね〜。


色とりどりの熊手。
福を「取り込む」「かっ込む」
とされる縁起物です。


酉の市の日には、
神楽殿が開かれ
お神楽が奉納されます。


大小さまざまな熊手が
売られています。


おとり様商店会は、
慎重でやさしい小川会長と
エネルギッシュな副会長たちが
タッグを組んで、前進しています!!

プロフィール

小川 清一さん

小川 清一さん

おとり様商店会会長。小川商店代表。戦後の酉の市最盛期を見渡してきた重鎮だけに、最近の会話のない消費者動向には嘆きもひとしお。商店会と人と街への愛情にあふれ、好きな場所は「よっ」と声をかけられる練馬駅周辺とのこと(笑)。

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