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エン座

公開:2022.05.17
著者:ライター:三浦あい

エン座

練馬の食文化を一皿に込めて

練馬の郷土文化を紹介展示している石神井公園ふるさと文化館。この1階に入るのが、加藤智春さん・結子さんご夫妻が営むエン座です。
武蔵野の地に受け継がれてきた粉食文化。エン座は「うどん屋」でありながら、練馬の「食文化の発信地」でもあります。

練馬を含む武蔵野台地は、昔から小麦栽培が盛ん。そのため、冠婚や結納、ひな祭りや端午の節句など人の集まる特別な日には「ハレの日のうどん」が振る舞われたそうです。
智春さんは「うどんを通して、この地に根付く文化や歴史を知ってほしい」と言います。「ハレの日のみぞれ糧うどん」には、その想いが凝縮されています。
練馬野菜を加えた色麺は華やかさを表現。紫いもを練りこんだ赤色の麺は「赤い糸」を表しているそうです。

人と人とのご縁を大切に、その土地で育まれた食を大事に味わっていただく。「ただお腹を満たすだけでない、その先にあるものを感じてほしい」と智春さんは言います。

子どもたちが誇れる「故郷の味」をつくりたい

子どもたちが誇れる「故郷の味」をつくりたい

エン座のうどんは、食材も土地のものにこだわっています。うどんの小麦には武蔵野で採れたものをブレンドし、土支田の製粉所で製粉。野菜は地元の農家さんから仕入れています。

智春さんは「自分がやっていることは、練馬のソウルフードづくり」と言います。
ここで育つ子どもたちにとって、練馬は紛れもない故郷。練馬で生まれ育った智春さんが、練馬の食材を使って、この地に伝わるうどんをつくる。
いつか大きくなった子どもたちが誇れるような「故郷の味」をつくっていきたいと話してくれました。