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石神井生まれ石神井育ちの酒場ブロガーさかばクンです。 駅から少し離れてるけれど・・・・・・ 住宅街にポツンとあるのに・・・・・・ いつも賑わう不思議な酒場 ご近所の呑兵衛さんはもちろん、家族連れも大歓迎! 大人数での飲食がはばかられる今こそ。 練馬区内をぶらっと歩いて、知る人ぞ知る〈駅遠酒場〉をひとり訪ねてみてはいかがでしょう♫そんなご近所さんに愛される"あったか酒場"を紹介します!
魚菜なかなか@東大泉〜祖父と父の遺志を三代目が受け継ぐ。ふだんづかいできる「なかなか」酔い酒場。
《写真:魚菜なかなか》
大泉学園駅南口から練馬西税務署方面に6、7分歩くと、自家焙煎珈琲の「GONZO」、手作りハムの「ル・ジャンボン」、手打ちそばの「むら季」など30ほどのお店が連なる井頭商店会があります。
この駅から少し離れた商店街のなかに「魚菜なかなか」はあります。
2019年3月28日にオープンし、3年目を迎えた新しい居酒屋さんですが、のれんには「三代目」と書かれています。
店主中村さんの祖父と父が2代にわたってこの地で「奈賀鮨」(なかずし)を営まれていました。
店主もゆくゆくはお父様と一緒にお店をやりたいと和食系のお店で働かれていたようですが、お父様が急逝され「奈賀鮨」は61年の歴史に幕を閉じます。
そして、息子さんが先々代、先代の遺志をしっかりと受け継ぎ、「魚菜なかなか」として再出発したのです。
《写真:SAPPORO★黒ラベル・お通し》
きちっと手の込んだお通しが出てきた瞬間に「あ、ここはいいお店だなぁ~」って感じることがあります。
そう直感したお店は経験的に間違いなく〈酔いお店〉です。
※さかばクン的には「良いお店」の最上級が「酔いお店」です(笑)
「なかなか」も初めて入ったとき、その直感がしたお店でした。
毎回2種類のお料理が小鉢に盛り付けられて出てきます。
この日は、練馬ダイコンと同じく江戸東京野菜のひとつで、南大泉の農園で採れた後関晩生(ごせきばんせい)小松菜のおひたしと茄子のオランダ煮です。
お通しはそのお店の「名刺」のようなもの。
三代目の誠実な人となりが伝わってきます。
《写真:いいとこ盛り合わせ刺》
「奈賀鮨」のDNAを持つ三代目。
もちろん魚の仕入れ・目利きに自信があります。
旬のお刺身を味わうことができ、この日は、オーロラサーモン、のどぐろ、ホタルイカ、初カツオ、真鯛の5種でした。
約2人前のいいとこ盛り合わせ刺のほかに、お一人様限定のちょい盛り刺があるのはひとり飲みに嬉しいですね。
《写真:ポテトサラダ》
こちらが「魚菜なかなか」の人気No.1メニュー、みんな大好きポテサラです。
いぶりがっこが入った大人のポテサラですが、お子さんたちにも人気があるそうです。
ベーコンたっぷりでボリューム満点、毎回必ず頼む"マスト"の一品です。
《写真:福島県会津若松市の日本酒「冩楽」》
「魚菜なかなか」は日本酒にもこだわってます。
三代目自らいくつもの酒屋さんを回って、気に入った銘柄10種ほどを適宜入れ替えながら取りそろえています。
十四代や新政などレアな日本酒の入荷をお店のSNSで告知すると、日本酒好きが遠方から飲みに来ることもあるそうですよ。
《写真:メゴチの天ぷら・三重県名張市のお酒「瀧自慢」》
これは嬉しい!
私の大好物、メゴチの天ぷらがあるじゃないですか。
江戸前の天ぷらではよく用いられる食材ですが、居酒屋さんでは意外と見かけません。
松葉下ろしでぷっくりした白身は上品な甘みがあり、天ぷらにするとより一層美味しくなりますね。
《写真:特大生カキ》
デカっ!
思わず声が出てしまいました。
岩手と宮城の県境にある広田湾で獲れた特大生カキ。
開店当初、生食用牡蠣は取り扱っていなかったそうですが、お客さんの要望で昨年から生牡蠣を扱うようにしたとのこと。
そのお客さん、ナイスリクエスト(笑)
特大だからと言って大味ではなく、超濃厚でミルキーな味わい。
これは日本酒がますます進んじゃいますよ。
《写真:厳選焼酎も揃ってます。鹿児島県霧島市の芋焼酎「なかむら」》
店名の由来をたずねると、奈賀鮨の「なか」とご主人の苗字「なかむら」を掛け合わせ、「なかなか良いお店だね」ってお客さんに言ってもらえるように「なかなか」と名づけたそうです。
カウンター5席、掘りになっている小上がりには4人卓が2つとこぢんまりとしており、ご主人の目がよく行き届く広さです。
ご主人とお客さんの距離感も程良く、ふだんづかいできる居心地が酔い酒場です。
お客さんの8割がご近所の常連さんというのもうなずけますね。
“なかなか”酔いお店「魚菜なかなか」。
ぜひ足を伸ばしてみてください。
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魚菜なかなか
練馬区東大泉7丁目36−14
03ー3922ー6484
定休日:日曜日・祝日
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居酒屋遊遊@大泉町~地域のみなさんに愛され”ポツンと”26年。和洋中からジビエまで「なんでもござれ」のマルチ酒場
《写真:居酒屋遊遊》
『ポツンと一軒家』というテレビ番組が人気ですが、大泉北小学校、外環大泉料金所のすぐ近くにある「居酒屋遊遊」はまさに「ポツンと居酒屋」。
私も友人にはじめてここに連れてきてもらったときにはビックリしました。
周囲にコンビニこそあれど、飲食店はまったくないのです。
ここを皮切りに歩いてハシゴ酒なんてのは不可能でしょうね……(笑)
大泉生まれのご主人飯窪さんは実家の大泉町に戻って、平成8年に「居酒屋遊遊」をオープンしました。
以来、地元のみなさんに愛されて26年目を迎えています。
《写真:毎日変わる壁メニューは圧巻》
平日の早い時間に伺いましたが、カウンター席にはお互い顔見知りの常連さんが3名。
3卓ある小上がりの4人席は、ご夫婦やもつ鍋を囲むおじさんグループで埋まっていました。
お店に入ると真っ先に壁一面に貼られたお品書きが目に飛び込んできます。
お刺身、鶏の唐揚げなど一般的な居酒屋メニューが並んでいるのかと思いきや……
海老のテリーヌ、エスカルゴ、ムール貝のトマト煮、ニョッキのゴルゴンゾーラソースですと!?
そう、フレンチやイタリアンがちょいちょい混在しているのです。
それもそのはず。
ご主人は「遊遊」を開く前、フレンチやイタリアンで腕を振るっていたので、こんな居酒屋らしからぬエレガントなお料理ができちゃうんです。
《写真:ロールキャベツ》
「今日はロールキャベツがおすすめだよ」と店主。
うわ~、きれい♫
ホワイトソースをまとったロールキャベツが出てくるとは想定外でした。
皿から溢れそう。
《写真:フォワグラ入りコロッケ》
お次はフォワグラ入りコロッケです。
フォワグラですか、いやいや、ここって居酒屋ですよね(^_^;
食材も盛り付けもフレンチ(笑)
《写真:焼鳥盛り合わせ》
ちゃ〜んと居酒屋らしく焼鳥もありますよ(笑)
ポーションの大きい焼鳥は辛味噌を付けていただきます。
食べ応え十分。
これがホッピーと合うんだなぁ〜。
《写真:エゾシカのステーキ》
わお!
またフレンチあらわる。
お次はなんとエゾシカのステーキが出てきました。
そうなんです。
ここはジビエ料理も当たり前のように出てくるんです。
以前はダチョウの刺身もいただきましたし、羊や鴨などさまざな食材が用意されており、まるでサファリパークのようなワクワク感にあふれる酒場ですよ。
《写真:自家製ベーコン》
「自家製ベーコンもあるよ」と店主。
ぶ厚っ!
これ私が知ってるベーコンじゃない。
立派な豚料理です(笑)
脂がめちゃくちゃ美味い。
《写真:ニラ玉スペシャル》
最後にニラ玉スペシャルをオーダー。
ニラ玉は居酒屋の定番メニューですが、その形状や作り方は千差万別なので、お店のカラーが色濃く出ます。
なので私は〈酔いお店〉かどうかを見極める"酒場バロメーター"としてニラ玉を見つけると必ず頼んじゃいますね。
ご主人に「スペシャル」と名が付くニラ玉の特徴を尋ねたら「スパニッシュオムレツを意識して作ってるんだよ」とのこと。
ほんと、ここは何屋さんなんすかっ!(笑)
ご主人は根っからの料理人。
お店のSNSを見ていると朝から様々なジャンルのお料理を丁寧にコツコツと仕込んでいます。
このご主人の情熱が地元のお客さんを惹きつけてやみません。
さらには新座や朝霞からも通ってくるお客さんがいるというのですから、飲食店にとって立地だけがすべてではないなぁ〜とつくづく感じます。
駅から離れているからこそ、地元を大切にし、個人のお客さんから家族連れまで幅広く利用できる「居酒屋遊遊」は、大人から子供まで飲んで食べて楽しめる「なんでもござれ」のマルチ酒場です。
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居酒屋遊遊
練馬区大泉町4丁目20−8
03ー5905ー2057
定休日:日曜日
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雲龍@大泉学園町~卓越したセンスが光る創作料理でお客さんのハートを見事にキャッチ!「帝京魂!」酒場
《写真:雲龍》
大泉郵便局のバス停から歩いて3分。
学園通りから少し入った路地に飲食店が集まる一角があり、「雲龍」はそのなかにあります。
都内の和食店で経験を積まれたマスター大瀧さんが「雲龍」を開いたのは2010年。
今年で11年目を迎えました。
《写真:SAPPORO★黒ラベル》
さぁ「雲龍」ではまず、生ビールを頼んでください。
あふれる泡も瞬間冷凍させてしまうほどキンキンなジョッキで提供されますので、ビールをゴクッと飲み干すと一気にクールダウンできますよ。
これはジョッキ自体を冷凍庫で保管しているからで、生ビールをおかわりするたびに、毎回冷凍ジョッキに注いでくれます。
ぷふぁぁ〜
この1杯のために毎日頑張って生きてます(笑)
《写真:お刺身盛り合わせ(3人前)》
本鮪・赤海老・真鯛・太刀魚のあぶりの4種が美しく盛られたお刺身盛り合わせ。
本鮪は厚めに切られて良質な脂が楽しめ、ねっとりした赤海老は口の中でとろけます。
《写真:里芋と茄子の揚げだし》
つぶした里芋を団子のようにした揚げ出しが出てきました。
こういうお料理があるんですね〜
ふっかふっかの里芋、あったまるなぁ♨
たっぷり入った玉ねぎのシャクシャク感と甘みもいいアクセントになっています。
《写真:鶏のつけ焼き》
今度は鶏のつけ焼き。
「生醤油しか使っていないんですよ」とマスター。
いたってシンプルなお料理なのに、なんなんだろうか、この奥深さは。
皮目はパリッと。中はジューシー。
この焼き加減が素人にはできません。
《写真:牡蠣と玉ねぎのオイル煮》
グツグツと音を立てて牡蠣と玉ねぎのオイル煮がやって来ました。
牡蠣と玉ねぎをバケットに乗せ、オイルをこれでもかとひたひたにしていただきましょう。
大瀧さんのお料理は、何を食べてもセンスが良くていつも感心させられます。
《写真:宮城県村田町のお酒「乾坤一」平成二十三年三月十一日絞り》
「雲龍」さんもマスター厳選の豊富な地酒が揃っており、おすすめのお酒は季節によって変わります。
この日は山形の「初孫」や福島の「弥右衛門」をいただきましたが、もうひとつ、とっても稀少な特別な酒をいただいてしまいました。
それは東日本大震災が起きた平成23(2011)年3月11日に絞られた宮城県のお酒「乾坤一」です。
マスターは10年間それを開けることができず、大切に寝かせてきたのですが、そんな大事なお酒を開けてくださったのです。
実は、さかばクン。
震災が起きるまでの15年ほど石神井を離れて福島に住んでいましたが、震災を機に石神井に戻ることことになったのです。
目を閉じ、震災から10年のできごとを思い出しながら、心の中で手を合わせじっくりいただきました。
マスター、ありがとうございました!
《写真:羽黒そば》
こちらはマスターが山形で出逢い惚れ込んだ「羽黒そば」。
表の看板に「山形生そば」とあったのはこの羽黒そばのことです。
現地から特別に卸してもらっているそうで、〆でいただくことができます。
コシと粘りのあるお蕎麦は香りも良く、濃い目のかえしとの相性も文句なし。
手繰る箸が止まりません。
今回ご紹介するお店のなかでは、「雲龍」が最も駅から離れた〈駅遠酒場〉になりますが、マスターのあったかいお人柄と洗練されたお料理で地元のお客さんのハートをがっちりキャッチしています。
それもそのはず、マスターは帝京高校野球部OBなので”キャッチ”はお手の物(笑)。
マスターの3つ後輩には「帝京魂!」で有名なお笑いタレントさん、同級生にはなでしこJAPANを世界一に導いた監督さんもいるそうですよ。
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雲龍
練馬区大泉学園町4丁目24−5
03ー3675ー7007
定休日:日曜日・月曜日
(予約があればどちらも営業可)
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やきとん泰希@旭町〜2020年12月オープン。将来性抜群の明るく元気な「大器」(たいき)酒場が老舗の跡地に誕生!
《写真:やきとん泰希》
今度はまだ開店して半年に満たない新進気鋭のお店を紹介します。
やきとん、やきとりなどいくつものお店を経験してきた田中さんが、以前に同じ店で働いていた西川さんに声を掛け、2020年12月に「やきとん泰希」を旭町にオープンしました。
おふたりが独立しようと店舗を探していたとき、光が丘公園にお子さんを連れて遊びに来たら、たまたまこの空き物件と遭遇。
言葉では説明できない何やら運命的なものを強く感じて「ここだ!ここしかない!」と決断したそうです。
しかし、元々ここには2020年4月まで「やきとん丸徳」という50年続く老舗店がありました。
地元のお客さんはもとより酒場マニアにも有名なお店で連日賑わっていた場所です。
この地で店を開くことには「プレッシャーしかなかった」と田中さんは振り返ります。
しかし、オープンするやいなや、SNS上でも「安くて美味しい!」と評判になり、地元のお客さんが次々と訪れるようになりました。
《写真:レバー》
では、焼き場担当の田中さんが本日オススメするやきとんをまずお願いしましょう。
「今日のレバーは格別ですよ」
キリッとしたエッジを見るだけで新鮮さが伝わってきます。
また、塩で出されたことからもレバーへの自信を感じますね。
一口食べると、いきなりノックアウト。
まったくクセがなく、レバー好きにはたまりません。
焼き加減絶妙な厚切り新鮮レバーが80円で食べられるなんて驚きです。
《写真:かしら》
お次はやきとんの王道、かしら。
豚肉、玉ねぎ、とろみのあるタレ。
それぞれが持つ甘みが口の中で渾然一体となって思わず笑みがこぼれる美味さです。
《写真:チーズつくね》
もうひとつ気になる串をオーダー。
チーズつくねです。
通常のつくねにとろとろチーズとタレがたっぷり全体にかかっています。
これは見ただけで、みんな大好きなやつだってわかりますよね(笑)
《写真:ハラミステーキおろしポン酢》
串焼き以外にも定番メニューには自慢の一品料理が並びます。
鶏たたき柚子胡椒、炙りごま塩ねぎレバー、特製煮込み、ガツポン・・・・・・
なかでも、抜群のコスパに驚愕するのがこのハラミステーキおろしポン酢です。
炭火で焼いた柔らかいハラミにねぎとフライドガーリックがたっぷり乗っていて、おろしポン酢でさっぱりいただきます。
うまっ!
このクオリティ&ボリュームがなんで420円で提供できるの!!!
レバー80円につづく衝撃プライス。
これは必食ですよ。
《写真:自家製〆さば刺し》
ホワイトボードにはその日のおすすめメニューが綺麗な字で書かれています。
大衆酒場の王道「〆さば刺し」があるではありませんか。
しかも自家製。
これは絶対頼まないとアカンやつだと思ったら、想像を超える本格的な〆さばが出てきちゃいました!
聞けば西川さんは和食の経験があり、魚を捌くのが三度の飯より好きだそうです。
そこまでは言ってなかったかな(笑)
この絶妙な〆具合。
脂ののった鯖。
これは、やきとん屋さんのレベルじゃないですよ。
《写真:店内に飾られたレトロな看板》
店内はどことなく昭和レトロ風なところがありまして……
流れてくる有線放送は、80年代~90年代のJ-POP。
まさに私世代はツボ。
心に刺さりまくります(笑)
そして、トイレにいくと、朝ドラ『おちょやん』のモデル浪花千栄子のさんのホーロー看板が迎えてくれるんですよ。
子どものころって、とにかく困ったらオロナイン塗ってたなぁ〜(笑)
《写真:大衆酒場の定番、ハムカツ》
焼きたがりの田中さん、捌きたがりの西川さん、そして笑顔がかわいいフロア担当のカノンちゃん。
明るく元気な3人のチームワークはバッチリ!
お店の雰囲気がとってもフレンドリーなので、はじめてでも入りやすいですよ。
この日も、常連さんがおにぎりとカップ麺をお店の3人に差し入れしてました。
もうすっかり地元に溶け込んでいますね。
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やきとん泰希
練馬区旭町3丁目11
03ー4361ー0338
定休日:不定休
(水曜日にお休みのことが多いです)
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中華料理たつみ@谷原~昼でも夜でもOK。食べても飲んでも良し。老若男女に愛される「町中華」の神髄を見た!
《写真:中華料理たつみ》
最後にご紹介するのは谷原四丁目にある「中華料理 たつみ」です。
「酒場」ではありませんが、〈飲める町中華〉として、さかばクン"イチ押し"のお店です。
「たつみ」は、平成元年に土支田で創業し、平成30年、現在の谷原四丁目へと移転しました。
ご近所さんの自転車がお店の前にずらっと停まっているように、カウンター3席とテーブル3卓の店内はいつも賑わっています。
《写真:アサヒスーパードライ・餃子》
町中華ではお店に入るなりメニューを見ずに「餃子とビール!」って頼むお客さんをよく見かけます。
いわゆる〈ギョービー〉ってやつです。
餃子がない「町中華」なんて「町中華」とは言えませんからね(笑)
〈酔い酒場〉のバロメーターがニラ玉ならば、〈酔い町中華〉を見極めるにはまずは餃子でしょう!
《写真:4コ入り餃子》
「たつみ」の餃子は、ほど良い大きさで丁寧に均一に包まれておりご主人の丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。
美しいヒダを見るたびに歴史好きのさかばクンは、翻波式(ほんぱしき)の仏像彫刻を思い浮かべてしまうほどです(笑)
皆様に餡の味をしっかり感じて欲しいので、個人的には酢コショウにつけて食べるのをおすすめしたいですね。
《写真:寶焼酎飲みきりボトル・ウーロン茶》
餃子でビールがあっという間に消失したところで、焼酎をお願いします。
町中華って、お酒はビールと清酒だけってところが意外と多くて、瓶ビールの次に頼むお酒に困ってしまうんです。
でも、「たつみ」は大丈夫!
寶焼酎の360ml飲みきりボトルがあるんです。
割り材としてウーロン茶を一緒に頼みましょう。
この寶焼酎の飲みきりボトルを見て、渋谷にあった立ち飲みの名店「富士屋本店」が懐かしく思い出された方は間違いなく呑兵衛のプロでしょうね(笑)
氷はなくなれば、都度都度補充してくれますので心配いりませんよ。
《写真:たまごのチリソース煮》
では、焼酎ボトルが入ったところでお料理も追加しましょう。
チリソースと言えばふつうは海老ですが・・・・・・
「たつみ」にはたまごのチリソース煮という人気メニューがあります。
一品料理のほか玉チリ定食や玉チリ丼にもなりますが、今日は酒のアテですので単品でオーダーします。
ふわふわな玉子にはチリソースがたっぷりかけられ、レタスの千切りがのっています。
チリソースといっても辛さはあまりないので、卵料理が大好きなお子さんでも安心して食べられる逸品です。
さかばクンも卵料理には目がないので、勝手にスプーンが皿をすくっていきます。
おのずと焼酎も加速しますね。
《写真:エビ焼ソバ(塩味)》
最後は麺類で〆ようと思います。
〆といってもまだ焼酎が残っていますので、おつまみにもなるエビ焼ソバを選びました。
麺量もさることながら、麺に負けじと野菜もたっぷり入っていて、相当なボリューム。
このボリュームも「たつみ」の魅力です。
実はこちらでエビ焼ソバを頼んだのは初めて。
勝手にあんかけ焼きソバを想像していましたが、野菜と麺を塩味で炒めたシンプルな焼きソバが現れました。
中細ストレートの麺は「焼く」というより「蒸し」ているのでしょうか。
麺をすすると・・・・・・野菜の旨味とエビの香り。
あぁ、懐かしい味だぁ。
美味しい!
《写真:五目カタヤキソバ》
焼酎も空っぽになり、お腹がはち切れそうです。
実は、私、カタヤキソバをつまみにしてお酒を飲む〈カタヤキ飲み〉ってのが大好きなんです。
だから町中華に行くとカタヤキソバをよく頼みます。
そのなかでも「たつみ」のカタヤキソバは私が好む太麺。
ご覧の通り、具だくさんで彩りも見事。
破壊力満点ですよ。
最後にこっそり、裏メニューも教えちゃいます。
天津丼って関東だともっぱら甘酢ですが、関西は醤油や塩ダレが一般的なんです。
「たつみ」ではそんな塩ダレの天津丼も注文できちゃいます。
カニたっぷり塩味のあんかけとふっくら玉子のハーモニーは、さかばクンがこれまで食べた塩ダレ天津丼のなかでもっともフォトジェニックで気品のある美味しさでした。
《写真:裏メニューの塩ダレ天津丼》
町中華って実に万能ですよね。
平日のお昼はボリューム満点のランチでガッツリチャージ。
休日は時間を気にせずギョービーでまったり昼呑み。
おひとりさまでも。
職場の同僚とでも。
もちろんファミリーでも。
さまざなシチュエーションで老若男女、誰しもが楽しめます。
これこそ町中華が今も昔も愛される所以ですよね。
この日も小さいお子さんを連れたご家族が食事をしていましたが、帰るときにお店の方からお菓子のプレゼントをもらって嬉しそうでした。
そうそう、最後に。
練馬区内に「たつみ」は3店あります。
ここ谷原店の他に大泉学園の本店と田柄店があり、みなさんご親戚同士です。
同じ「たつみ」でもそれぞれに特色がありますので、ぜひ町中華好きの方は「たつみ」巡りも楽しんでみてください。
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中華料理たつみ 谷原四丁目店
練馬区谷原4丁目7−15
03ー6319ー8566
定休日:火曜日
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〈駅遠酒場〉の魅力
駅から離れた〈駅遠酒場〉って駅近の居酒屋とは違って、ふらっと通りすがりの一見さんが入ってくることはほとんどありません。
だからこそ、お店はご近所のお客さんを大切にしながら地域とともに歩んでいます。
お客さんと一体となってお店を作り上げていくような雰囲気が、私は好きなんです。
これからも練馬区内あちこち足を伸ばして素敵な〈駅遠酒場〉を見つけたいと思います。
石神井公園を中心とした西武線沿線の美味しいお店の情報は、さかばクンが参加しているブログ『喜酔人は今日も直行直帰!』を参考にしてみてください。
https://kiyotonr.blogspot.com/
◆さかばクンから4つのお願い
1.未成年者の飲酒は法律で禁止されています。20歳になるまでお待ちください。
2.記事の内容やお料理の感想は、あくまでさかばクンの主観ですのであしからず・・・・・・。
3.メニューの内容は取材時のものです。
もしかすると皆様が来店されたときにはメニューにないかもしれません。
4.新型コロナウイルス感染症の影響で営業日や営業時間に変更があることがあります。
お店にご確認のうえ来店してください。できればご予約をおすすめします。
さかばクン(酒場ブロガー)
石神井生まれ石神井育ちのアラフィフ親父。
都内の銭湯を巡りながら、夜はどこぞの酒場にふらっと出没。
居心地の"酔い"カウンターで旨し日本酒をあおりながら、当たらない競馬予想に花を咲かせ、美味し肴をつまみながらGIANTSについて熱く語っています。