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【練馬で見つけた長崎】佐世保バーガーが恋しい長崎県出身ライターSのハンバーガー食べ歩き in 練馬 画像

ライター:川原世夢 さん グルメ 体験・観光

【練馬で見つけた長崎】佐世保バーガーが恋しい長崎県出身ライターSのハンバーガー食べ歩き in 練馬


長崎県佐世保市から上京してきて6年目。都会には何でもあり毎日刺激的で、飽きないところが気に入っている。しかしコロナ禍でなかなか帰省できないとなると、突然地元が恋しくなる。佐世保といえば佐世保バーガーが名物グルメ! そうだ、今住んでいる練馬区で佐世保バーガーのようなおいしいハンバーガーを食べられるお店を探してみよう。

今回は、ハンバーガーを提供していて食材にこだわりのあるお店や、地元に帰ったかのような居心地のよいお店を5つピックアップした。

アメリ感あふれる佐世保! 名物グルメ「佐世保バーガー」とは

アメリ感あふれる佐世保! 名物グルメ「佐世保バーガー」とは 画像

戦後に米軍基地が置かれた佐世保は、街の至るところでアメリカ文化を感じることができる街。日本一長いアーケードといわれている三ヶ町・四ヶ町商店街を歩けば、ユニフォームを着たアメリカ海軍を目にすることは日常茶飯事なのだ。


“外国人バー”という名称で親しまれているいくつかのバーにいくと、そこはもう日本ではなくアメリカ! 音楽が流れるフロアで会話をしたり、ビールと卓球台を使ったアメリカのゲーム「ビアポン」を楽しんでいたりしている人たちで溢れかえっていて、海外にいるような気分になれる。


そんなアメリカっぽさが垣間見える、長崎県佐世保の名物グルメといえば佐世保バーガー。佐世保に米軍基地ができたとき、米海軍に直接レシピを聞いたのが始まりだと言われている。


佐世保バーガーには、実は明確な定義がない。一般的には注文を受けてから手作りし、出来立てを提供していて、できるだけ地元の食材を使っているハンバーガーのことを佐世保バーガーと呼んでいる。お店によってスタイルは異なるので定番メニューなどはないが、ビッグサイズでボリューミーなものが多い。

第二の故郷、練馬で見つけた佐世保! 美味しいハンバーガー5選

今まで知らなかったのだけど、練馬には絶品ハンバーガーを食べられるお店が存在するのだ。人気のハンバーガー屋から、隠れ家のようなアットホームなお店まで勢ぞろい。


佐世保出身のライターSによる、ハンバーガー食べ歩きの旅。さあ、始めよう!

【食べ歩き①】まるで米軍基地内のレストラン「BUTCHER'S TABLE」

【食べ歩き①】まるで米軍基地内のレストラン「BUTCHER'S TABLE」 画像

まずやってきたのは大泉学園駅から歩いて約15分のところにある「ブッチャーズテーブル (BUTCHER’S TABLE)」。かなり人気のハンバーガー店で、休日は長蛇の列ができるんだとか…! 店内に入ると、アメリカ西海岸のショップをイメージしたかのような雰囲気。


上を見上げると液晶テレビに洋画が流されていたり、棚にはヴィンテージトイが並べられていたりと、非日常的な空間を感じられる。まるで佐世保に住んでいた頃に訪れたことがある、アメリカ米軍基地内のレストランを思い出させてくれるよう。


壁には有名人のサインを発見! なんとあのイケメン俳優、竹内涼真も訪れたことがあるらしい。

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人気メニューのグリルドチーズバーガー(¥1,400 税込)を注文。運ばれてきたのはボリューム感のあるハンバーガー! 顔と比べるとわかる、このアメリカンサイズ。とろとろと溶けたゴーダチーズとチェダーチーズ、揚げたてほやほやのサクッとしたフライドポテトが印象的。

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一口食べると衝撃が走る。「見た目は重量感があるのに、軽やかに食べられる…!?」肉肉しいパテと野菜、チーズ、バンズが奏でるハーモニー。それぞれ味はバラバラなはずなのに、まとまりがあり食べやすい。


ブッチャーズテーブルを運営する平川さんによると、「食材同士の相性をよくするために、バンズにとにかくこだわっている」とのこと。大泉学園にある老舗洋菓子店「ナカタヤ」でオリジナルのバンズを特注で作っていて、ふわっとした食感とサクッとした歯応えのアクセントのどちらも楽しめるバンズに仕上げたらしい。「美味しさの理由は、こだわり抜かれたバンズだったのか…!」と感激。


アメリカ西海岸の雰囲気に浸れるブッチャーズテーブル。T.ジョイSEIBU大泉で観る映画ついでに、訪れてみてはいかがでしょう。大泉学園駅から少し離れているけれど、時間をかけて行く価値あり!


アメリ感度:★★★★★


■BUTCHER'S TABLE
所在地:〒178-0063 東京都練馬区東大泉2丁目9-18
電話:03-5947-4414
営業時間:11:00〜15:30/18:00〜22:00
定休日:不定休

【食べ歩き②】胃も心もたっぷり満たされる!「GOOD MUNCHIES」

【食べ歩き②】胃も心もたっぷり満たされる!「GOOD MUNCHIES」 画像

次は、練馬駅から徒歩で約5分の場所にある「グッド マンチーズ(GOOD MUNCHIES)」へ。住宅街に構えるハンバーガーショップで、2017年12月にオープンしたお店。


ここの魅力は、今まで見たことがないくらいの超ボリューミーなハンバーガーが食べられること! 「胃も心も満たされるハンバーガーが食べたいな…」というときにグッド マンチーズに来ると、その欲求を満たしてくれる。

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おすすめの一品はトム&ジェリー(¥1,815 税込)だ。初めて見るような、トロトロと流れ落ちるチーズの滝。トム&ジェリーという商品名は、元スタッフの方がハンバーガーを食べたときに「口の中でチーズが追いかけっこしているみたい!」と表現したことから付けたそう。


ここまでボリューム感のあるハンバーガーは、佐世保でもみたことがない。「口のまわりを汚しながら食べるのが、うちのハンバーガーです!」と満面の笑みで教えてくれたのは、お店を立ち上げた今年26歳の今西さん。


リピーターが多いとのことだが、その理由がわかる。気さくで話しやすくフレンドリーな今西さんが営むお店は、とても居心地がいいのだ。地元、佐世保にある行きつけのレストランを思い出した。

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「チーズ好きにはたまらない!」それがハンバーガーを食べたときの感想。自家燻製されたカマンベールチーズがまるごと入っていて、口の中にはスモーキーなの香りとチーズの旨みが広がっていく。二口目でガッと口を大きく開けてバーガーにかぶりつくと、ジューシーなパテと自家製ソースが混ざり合い、満足度は100パーセント。


「無性にボリューム満点のハンバーガーが食べたい!」というときにおすすめの場所である。バーガー・スナック・ドリンクがセットになったお得なメニューが注文できる、ランチタイムに訪れるのが良さそうだ。


チーズまみれ度:★★★★★


■GOOD MUNCHIES
所在地:〒176-0001 東京都練馬区練馬3丁目17-1
電話:03-6326-4175
営業時間:11:00〜14:30/17:00〜20:00
定休日:不定休

【食べ歩き③】まるでニューヨーク!? 本場の味を楽しめる「THE GIANT STEP」

【食べ歩き③】まるでニューヨーク!? 本場の味を楽しめる「THE GIANT STEP」 画像

「ザ ジャイアント ステップ(THE GIANT STEP)」は、代官山の人気ハンバーガー店「グリルバーガークラブ ササ」で働いていた飯村さんが独立してスタートしたお店。空間デザインの仕事をしていた経験のある飯村さんが手がける店内は、まるで本場のニューヨークにきたような錯覚に陥るくらい、異国情緒あふれている!

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キッチンを覗くと、ハンバーガーを作っている光景を見ることができる。ジューシーな香りがただよい、思わずゴクリと唾を飲んでしまう。

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テーブルに運ばれてきたのは、当店のオリジナルスタイルであるブロッコリー入りのマッシュルームチーズバーガー!(¥1,240 税込) 生野菜ではなく温野菜を入れることで、ハンバーガーの全体の温度をキープしたまま、アツアツのものを食べられるように工夫がなされている。


クセがなく、胃に負担がかかりすぎない味。毎日10kgの玉ねぎをスライスして作っているという、手間暇かけられた自家製オニオンソースがアクセントとなり食べやすい! ザ ジャイアント ステップでは年齢や性別関係なく、老若男女すべての人がハンバーガーを楽しむことができると声を大にして言いたい。


店内に入った瞬間に海外にいるような雰囲気を味わうことができ、どことなく佐世保の外国人バーにいるような気分だった。


ニューヨーク度:★★★★★


■THE GIANT STEP
所在地:〒176-0001 東京都練馬区練馬4丁目12-17 102
電話:03-6767-1129
営業時間:火水木曜 11:00〜16:00/金土日祝 11:00〜20:00
定休日:月曜日(祝日の場合、翌火曜日)

【食べ歩き④】食について深く知るきっかけに。通いたくなる「肉と野菜とナチュラルワイン さとう」

【食べ歩き④】食について深く知るきっかけに。通いたくなる「肉と野菜とナチュラルワイン さとう」 画像

新宿御苑エリアでお店を立ち上げ、10年以上働いていたベテラン料理人の佐藤さんが営む、アットホームなレストラン「肉と野菜とナチュラルワイン さとう」。


メインメニューは肉・野菜料理とワインで、ハンバーガーはランチ時間でしか提供していない。「“食”に興味を持ってほしい」という想いを抱いて運営されていて、食通や健康志向の人は毎週通いたくなるとっておきの場所だ。


「自宅の台所とリビングをイメージして作った」という店内は、温かい雰囲気で居心地がいい。「重要なのは“どこの”食材を取り扱っているではないんですよ。“誰が”作っているかなんです」と教えてくれた佐藤さんは、実際に畑仕事を手伝ったり話をしてみたりして相性が良いと感じた農家さんから、13〜14年も直接野菜を買っているそう。

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半生ハンバーガーセット 肉100g(¥900 税込)は、バンズとパテだけのシンプルな作り。目の前で燻された丸々としたパテはステーキのような食感で、素材の味そのものを楽しめる。サイドには、その時期にしかとれない旬の野菜が盛られている。温室やビニールハウスで栽培されたものではなく、自然の原理によって育った露地物だけを使っているらしい。

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そこで疑問が生まれた。ハンバーガー屋でもないのに、なぜわざわざランチ限定で、ハンバーガーを提供しているのだろうか? それは佐藤さんの想いが詰まったメニューだった。


「牛一頭のなかで、20%はステーキ屋や焼肉屋に流通して、その他80%はひき肉になるんです。だけどひき肉は使いにくいものなので、余るわけよ。その余ったものを使ってあげないと、精肉師の生活が成り立たないんです。だから、ひき肉を使ってハンバーガーをやろうと決めました。美味しいハンバーガーとして提供すると、みんな食べてくれるでしょ?」


…と、淡々と語る佐藤さん。「どこまでも食や農家さん想いの温かいお店。それでいて、こんなにも美味しい料理を提供しているだなんて、プロだからこそできることだよなぁ」と心の中で思いながら、ぺろり完食した。


第二の故郷である練馬で、地元のような思いやりのあるお店を見つけた気がして、うれしくなった。


通いたくなる度:★★★★★


■肉と野菜とナチュラルワイン さとう
所在地:〒176-0006 東京都練馬区栄町40-12
電話:070-3991-4430
営業時間:11:30〜15:00(L.O.14:30)/18:00〜23:00(L.O.22:00)
定休日:不定休

【食べ歩き⑤】無駄を削ぎ落としたシンプルさが美味! 地域に愛され15年「CAFE5-5-5」

【食べ歩き⑤】無駄を削ぎ落としたシンプルさが美味! 地域に愛され15年「CAFE5-5-5」 画像

最後に訪れたのは武蔵関駅から徒歩で約10分、関中学校前にある「カフェゴーゴーゴー (CAFE5-5-5)」。地域に愛されて15年のお店だ。ハンバーガー以外にもトーストやカレーライス、パスタなど取り扱っているメニューが幅広く、店内では洋服や新米までも販売しているのが特徴的。


関中学校前にお店があることから名付けられた「関中前バーガー」(¥750 税込)を食べてびっくり。ゴマがたっぷりまぶしてあるバンズがパリパリとしていてとても美味しい! 一見シンプルな見た目だけどバンズやパテなど手作り感万歳で、一度食べるとカフェゴーゴーゴーのファンになってしまう。

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取材を受けてくれた森田さんは、15年前の立ち上げ当初からカフェゴーゴーゴーで働いているらしい。「15年もここにいると、幼い頃から知っている子が、中学生や社会人になってからも訪れてくれることが、とてもうれしいんですよ」と森田さんは語る。


長崎県から上京してきた身からすると東京は冷たい人が多いという印象(※ライターSの偏見)だったけれど、「練馬は、人の温かさが感じられる場所だなぁ」とほっこりとした気持ちになった。

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なんと! お店の片隅に「長崎ガイド本」を発見。森田さんのお父様が写真家ということで、写真の多い本をたくさん置いているそう。カフェゴーゴーゴーを訪れたときは、待ち時間にぜひ長崎ガイド本を手に取ってみてほしい。


故郷を思い出す度:★★★★★


■CAFE5-5-5
所在地:〒177-0051 東京都練馬区関町北5丁目5-5 カドワキ
電話:03-5991-0952
営業時間:9:00〜18:00
定休日:不定休

都会でも人の温かみを感じたハンバーガーの旅。ますます練馬の街を好きになった

都会でも人の温かみを感じたハンバーガーの旅。ますます練馬の街を好きになった 画像

コロナ禍でなかなか長崎に帰ることができず、年末年始も練馬にあるアパートでのんびりと過ごした。佐世保のゆったりとした街並みや人との交流、おいしい食事が恋しい気持ちはあるけれど、よく観察してみると練馬は23区なのにもかかわらず、佐世保と似たところが多々ありうれしくなった。これからも帰省ができない日々は続くけれど、第二の故郷である練馬で新しいことや心が安らぐことを見つけたいと思ったのであった。


ライター 川原 世夢(Seimu Kawahara)
長崎県佐世保市出身で、練馬区に住んでいる。美容ウェブマガジン BRIGHT SIDEを運営しながら、美容やライフスタイルのジャンルを中心にライティングを手がける。趣味は美容アイテムを試しまくり、Instagramに備忘録として投稿すること。練馬の好きなところは、自然が多いところとアクセス抜群なところ!