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としまえんの歴史をたどり、愛される遊園地の魅力を探る! 画像

ねりま観光センター さん 体験・観光

としまえんの歴史をたどり、愛される遊園地の魅力を探る!


地元の遊園地「としまえん」の94年の歴史をたどり、奥深〜い魅力を紹介します! お話を伺ったのは、株式会社豊島園に40年以上勤務するベテラン社員の渡辺孝一さん(事業運営部 副部長)と、10年目になる若手社員の堀内怜奈さん(遊園地事業課)、そして広報を担当する宮内靖代さん(事業企画課 主任)の3名です。

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、営業日が変更される可能性があります。お出かけの前に、WEBサイトなどでご確認ください。
http://www.toshimaen.co.jp/

練馬区にあるのに「としまえん」!?

練馬区にあるのに「としまえん」!? 画像

〈写真〉昭和15年の大プール。よく見るとふんどし姿の男性も多い


としまえんは大正15年(1926)9月15日開園、昭和に改元された年でした。


開園の経緯は、当時財界人の一人であった藤田好三郎氏が所有していた土地を、運動と園芸を東京市民に広く推奨するために公開したのが始まりでした。名前の由来は、かつてこの土地を治めていた豊島左近太夫景村(としまさこんだゆうかげむら)さんの居城跡にあたることから、その名前にちなんで『豊島園』と命名されたということです。(公式サイト「としまえんの歴史」より)http://www.toshimaen.co.jp/guide/history.html



「豊島区ではないのに、としまえん?」と疑問に思っていた方は、なぞが解けましたね。


渡辺さん「練馬区に住んでいた母親から聞いた話ですが、最初は植物園や小動物のいる広い公園だったそうです。そこから乗り物がひとつ入り、ふたつ入り、今もある大プールと小プールがオープンして、次第に遊園地らしくなっていったようです」

乗り物にも歴史あり。第1号はウォーターシュート

乗り物にも歴史あり。第1号はウォーターシュート 画像

〈写真〉昭和14年(1939)以前の「豊島園全景」


武蔵野鉄道(西武鉄道の前身)の豊島駅(昭和8年に豊島園駅に改名)が開業したのは、としまえん開園の翌年、昭和2年(1927)10月のこと。駅から徒歩1分、アクセスがさらに良くなりました。


上記の地図中央にある「ウォーターシュート」(矢印)が乗り物の第1号です。急斜面からボートで落ちる池もその下に見えますね。


渡辺さん「ボートの先端に船頭さんが立っていて、着水の瞬間にジャンプ。そしてまた、ボートの先端に着地するという大変な芸当で、池に落ちてしまうこともありました(苦笑)」


としまえんで人気を博したウォーターシュート、その後、西武園ゆうえんち、横浜・八景島シーパラダイスでも順次導入されていったそうですよ。

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〈写真〉現在の園内マップ


昔は、観覧車や超スピードで話題となったシャトルループなどがありましたが、年月の流れとともにいくつもの乗り物の入れ替えがありました。


渡辺さん「私がこれまで仕事をしてきた中で、多いときで45機種ありました。現在は、『のりもの1日券』のフリーパス対象は31機種です」

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〈写真左〉コアなファンも多かった、ジープで巡る「アフリカ館」(1998年終了)
〈写真右〉発進時から急加速で話題を集めた「シャトルループ」(2007年終了)

ちなみに、今の人気の乗り物トップ3は…?


1位:サイクロン(ジェットコースター)
   浅草はなやしきに次いで古いそう。


2位:フリュームライド(丸太の船に乗って川くだり)
   水しぶきで爽快感満点!


3位:カルーセルエルドラド(メリーゴーランド)
   110年以上の歴史があり、としまえんのシンボル的存在。
   2010年に「機械遺産」認定。
   http://www.toshimaen.co.jp/guide/kikaiisan.html


3位:フライングパイレーツ(地上45メートルの空中航海)
   最大定員240人の特注品。導入当時は日本最大。

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〈写真上〉1969年にアメリカの遊園地からとしまえんにきた当時は、原色に塗られていた
〈写真〉日本最古のメリーゴーランド「カルーセルエルドラド」。塗り替えて現在の色に


堀内さん「子どもの頃、としまえんに行ったら必ず乗ったのがカルーセルエルドラド。スピードは三段階あって、外側より中心に近い方がスピードがあるんですよ。回転木馬といいますが、馬だけでなく豚もいます」


渡辺さん「フライングパイレーツの初期は、動きが終わるとお客様から『アンコール!』の大合唱がありました。当時はそれに応えてまた動かすという、大らかな時代でしたね(笑)。その声は光が丘の団地まで届き、『アンコールの大嵐』と言われていました」

季節ごとに、イベントやお楽しみがいっぱい!

季節ごとに、イベントやお楽しみがいっぱい! 画像

〈写真〉としまえん全体が会場となって開催される「練馬まつり」


オールシーズン楽しめるイベントが目白押しとのことですが、どのようなものがありますか?


渡辺さん「春は桜、梅雨の時期はあじさい、夏はプールと花火、プールのオフシーズンには釣堀、冬はアイススケート、イルミネーションと続きます。また、3月には『練馬こぶしハーフマラソン』のコースに使われたり、10月には『練馬まつり』の会場として使われたりしています」

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〈写真〉様々なスライダーがある「ハイドロポリス」。まさに水の絶叫マシン


やっぱり練馬の夏と言えば、としまえんのプールですよね!  流れるプール、波のプール、ナイアガラプールなど、小さな子どもから大人まで楽しめるプールが全部で6つ。ウォータースライダー『ハイドロポリス』はレーン総数31本で国内最大級を誇ります。


なかでも、昭和40年(1965)に登場した「流れるプール」、営業用としてはなんと、としまえんが世界初!  「プールで川の流れを再現できたら面白いのではないか」と当時の社員が発案。腰に紐をつけて実際の川に入り、流速などを参考にテストを繰り返して開発したそうですよ。


渡辺さん「とても好評だったので、各地で同じようものが次々にできました。特許を取っておけばよかったです(苦笑)」


バブル全盛期にはプールの来場者だけで日に5万人超。さらに、その人数を収容できるロッカー室も最大級。これを利用してプール営業期間外は、企業の展示会をはじめ、区の成人式や賀詞交歓会、フットサルコートなどとして貸し出されています。


渡辺さん「山口百恵さんのファイナルコンサートのリハーサルにも使われたんですよ」


あの伝説のファイナルコンサートが、としまえんのロッカー室とつながっていたとは驚きです。


渡辺さん「としまえんはアイドルや歌手のイベントで、昔からよく使われてきました。かつては園内に3,000人が収容できる野外劇場があり、『星空の音楽祭』というコンサートを開催していました。菅原洋一さんやサーカス、田原俊彦さんなどが出演したり、中森明菜さんのデビューコンサートもありました。としまえんでデビューコンサートをすると売れるというジンクスもあったんですよ」

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もうひとつ、夏の風物詩としてあげられるのが「としまえんの花火」です。1967年より毎週末に行われていましたが、住宅が急速に増えたことなどの理由で2004年に中止に。当時を知るお客様からは、「花火が空一面に広がって、あの美しさと迫力は何年たっても脳裏から消えない」「園内で見ると尺玉の燃えかすがパラパラと降ってきて、こんなに近くで花火を見られることに感動した」などと今でも語られています。


それが、2017年から花火が復活したんですよ~~!


渡辺さん「『HANABIナイト』として復活し、『としまえんの花火最高!』『復活ありがとう』とお客様から喜んでもらい、うれしかったですね。一般的な花火大会は30分かけて3,000発ほどのペースなんですが、としまえんはわずか10分で小型煙火3,000発を上げるので、まるでマシンガンのような連射(笑)。上がる瞬間から間近に見ることができるナイトプールエリアが絶景ポイントですよ」


花火の打ち上げは、夏休み期間の週末、お盆期間、年末などに開催予定。ぜひチェックしてみてください。

記憶に残る広告、いろいろあります

記憶に残る広告、いろいろあります 画像

〈写真〉エイプリルフールの新聞広告「史上最低の遊園地」(1990年4月1日)


 

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〈写真左〉ポスター「冷し温水」(2008年)
〈写真右〉ポスター「プール冷えてます」(1986年)


中高年以上の人は覚えている方も多いと思いますが、「史上最低の遊園地」は度肝を抜かれましたね〜。その他、プールの広告も思わずクスッとなるものが多く、ポスターに起用した有名人も実にバラエティー豊かでした。


広告はどのように制作しているのでしょうか。


宮内さん「代理店さんに自由に考えてもらい、提案されたものの中から絞り込んで決めています」

いつまでも残るものは、笑顔のある思い出

いつまでも残るものは、笑顔のある思い出 画像

〈写真左〉渡辺孝一さん 〈写真右〉堀内怜奈さん


最後に読者の方へメッセージをいただきました。


渡辺さん「私も子どもの頃に、としまえんのプールで家族と遊んだ楽しかった思い出があります。遊園地に来ても形あるものは残らず、思い出だけが残ります。お客様からいただく笑顔のおかげで、私はこれまで42年間働いてくることができました。そして、遊園地が好きだという仲間に支えられたことも宝です。四季折々の楽しい時間を過ごしに、ぜひご家族やお友だちでとしまえんに遊びに来てください」


堀内さん「としまえんは、実家から歩いてすぐの場所にあり、プールも毎年来ていました。としまえんのおかげで遊園地が好きになり、大学からバイトをはじめ、そのまま就職をして10年になります。プールで遊んでから、隣接する『豊島園 庭の湯』に行くのがおすすめコース。私が担当している園内のゲームセンターはリニューアルし、大人も楽しめる体感型のアーケードゲームがたくさんあるので、ぜひいらしてください」


楽しさテンコ盛りのとしまえん。取材を通して、乗り物やプールがあるから楽しいのはもちろんだけど、それを“としまえん愛”にあふれる社員の方たちが支えているからこそ、さらに魅力が増すのだ! としみじみ思ったのでした。

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〈写真〉渡辺さんが1番初めに担当した思い出深い乗り物「ダックス」


としまえん(練馬区向山3-25-1)
http://www.toshimaen.co.jp/


取材日:2020年3月19日