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ねりま人 #119 西谷 国登さん(ヴァイオリニスト・指揮者) 画像

ライター:協同クリエイティブ さん ねりま人

ねりま人 #119 西谷 国登さん(ヴァイオリニスト・指揮者)


●プロフィール/にしたに くにと 1983年、石神井生まれ。19歳で渡米、音大・大学院に進学し8年後に帰国。ソリストや指揮者として活躍中。2013年に石神井Int'lオーケストラ、クニトInt'lユースオーケストラを創設。日本クラシック音楽コンクール優秀指導者賞2年連続受賞。著書にヴァイオリン教本等。日米各地でマスタークラスや講演も行っている。

石神井から世界へ…楽しい音楽のつばさを広げている西谷さんの登場です。
順風満帆な音楽エリートかと思いきや、そうでないのが人生の面白いところ。
音楽好きな方はもちろん、そうでない方も、情熱的な西谷ワールドをお楽しみください!

2013年、石神井に2つのオーケストラが誕生!

2013年、石神井に2つのオーケストラが誕生! 画像

大人を対象とした石神井Int'lオーケストラ(通称:石オケ)と、小学生から高校生までを対象としたクニトInt'lユースオーケストラ(通称:クニトオケ)が、2013年に石神井で誕生しました。この2団を率いるのは、生まれも育ちも石神井のヴァイオリニスト、西谷国登さんです。「急行が止まる石神井公園駅にオーケストラを!」が出発点だったそう。

4年目にして石オケは2~3倍、クニトオケは4~5倍と、団員数も急増しました。「楽しくて、レベルが高くて、入団したいけど狭き門…という目標どおりに育ってきた!」と、手ごたえを感じています。

笑いのあるレッスンで、とにかくホメて伸ばす!

笑いのあるレッスンで、とにかくホメて伸ばす! 画像

「日本の音楽教育は、ミスなどマイナスの部分を指摘する教え方が主流です。幕末の開国期、クラシック音楽を『学問』として取り入れたせいもありますが、音楽って本当は楽しいものですよね。だから僕は、プラスをホメてホメてホメて伸ばす! 一人ひとりのモチベーションが高まるから、レベルも上がるんです」

とにかく楽しく! というモットーどおり、練習風景はミスをしても萎縮することなく笑いに包まれています。練習の時に西谷さんがヴァイオリンを持って実演すると、「プロと同じにはできないよ(笑)」と団員の子どもたちは言いますが、“優しいスパルタ”の結果、ぐんぐん成長。楽しいと人は伸びる、音楽ならずとも当てはまることですね。

「自分自身は厳しい教育も受けてきたから、その指導方法に正直どこかで疑問もあったんです。子どもたちの成長を見て『笑いのあるレッスン』で間違いなかったと確信しました。団員が楽しくなきゃ、観客も楽しめませんから」

母校の生徒と「みどりの風 区民コンサート」に出演

母校の生徒と「みどりの風 区民コンサート」に出演 画像

西谷さんが「音楽は楽しい」と思うようになったのは中学生の時でした。
「石神井中学校の吹奏楽部で、演奏したり友達と音楽について語ったりして、初めて『本気で音楽をやろう!』と思ったんです」

2016年10月10日に石神井松の風文化公園で、練馬区独立70周年記念プレイベント「練馬薪能」と同日に開催された「みどりの風 区民コンサート」では、区からの依頼を受けて、プロデューサー兼指揮者として出演。母校・石神井中学校の吹奏楽部の部員たちと共演を果たし、立ち見が出るほどの大盛況でした。

そして、今年2017年10月14日の練馬区独立70周年記念「みどりの風 区民コンサート」にも出演が決まったばかり。公園内の野外ステージにパブリックビューイングも設けられる予定で、どなたでも無料で鑑賞できるコンサートです。今から楽しみですね。

挫折を転機に、夢をかなえた…!

挫折を転機に、夢をかなえた…! 画像

中学校時代から、「将来は2つ以上のオケを持って、演奏活動もしたい」という夢を描き、今まさにその夢を実現している西谷さん。しかしその道は、平坦ではありませんでした。

「母の友人のアメリカ人に、演奏を披露する機会があって。そうしたら、『アメリカの音大に入れば』と誘われ、19歳で単身渡米。初めての一人暮らしで自炊をしながら、英語ができず当初は猛勉強しました。寂しさのあまり日本に帰りたいと、毎日思ってましたね」
それでも必死の努力と、ヴァイオリンの腕前、そして持ち前の愛嬌で、徐々にアメリカに馴染んでいきました。

「ただ英語を話せるようになるための留学より、英語を使って何がしたいかが大切です。目標があれば、世界中どこへ行っても人と交流ができて強い」というのが、留学から得た教訓。

楽器が上手でも食べていけない、自己アピールも大事!

楽器が上手でも食べていけない、自己アピールも大事! 画像

「音大を出ても実際音楽で生活できるのは極少人数!アメリカの音大の授業では、ホームページや名刺を作る課題が出るなど、自己アピールにも力を入れています。楽器だけ上手でも生きていけない、ということを団員たちに伝えたい。目標は、楽器で自立できる演奏家を沢山育てることです!」
西谷さん自身FacebookなどのSNSを積極的に活用し、著名な音楽家から突然メッセージをもらい、それがきっかけで海外遠征が決定したこともあるそうです。

「特にクニトオケは、外国人や帰国子女が多く、国際色豊か。Int'l(インターナショナル)とつけたのがよかったんでしょうね。世界で活躍するオケにしたいです!」

CD製作やリサイタルなど、本業のヴァイオリン活動も精力的に行う

CD製作やリサイタルなど、本業のヴァイオリン活動も精力的に行う 画像

ヴァイオリンの教本は古いものしかないことに気づき、とにかくわかりやすいものを作りたいとDVD付で教本を製作し、評判になった『国登ヴァイオリン教本』の4冊(サーベル社)。また、著書にアメリカ留学の体験談を綴った『ヴァイオリン留学愚痴日記@米国オレゴン州ポートランド』(文芸社)は、タイトル通り愚痴っぽく本音が綴られた楽しい読みもの(笑)。

西谷さんは、CD製作やリサイタルなど、本業のヴァイオリン活動、さらにラジオやテレビへの出演、公開レッスンなど幅広く活躍しています。クラシックの楽しみ方をたずねると、「歴史的作曲家の情景を想像しつつ、演奏家の個性に注目すると面白いですよ」とコメント。想像力と感じる心さえあれば、難しく考えることはないのかもしれませんね。

石神井から練馬区、東京、日本、そして世界へ…。
西谷さんの夢は現実味を帯びて、軽やかに広がっていきます♪

公式ウェブサイト  http://nkunito.com/
石神井Int'lオーケストラ  http://shakuoke.com/
クニトInt'lユースオーケストラ  http://kuniorch.com/

(上から2枚目、3枚目、5枚目、6枚目の写真は西谷国登さんの提供です)

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